リーグ戦も残り2試合の最終盤。松本山雅U-18はここまで9戦9勝で勝ち点27の首位。2位の豊科高校は9勝2分で勝ち点23。この試合に勝てば1試合を残して長野県2部昇格が決まる、プレッシャーのかかる一戦となった。
この試合に勝てば、という意識があったためか、ボールが中々落ち着かない。ピッチが土のグラウンドであることも手伝ってボールコントロールがスムーズにいかず、待ちの姿勢になってしまったためか流れを引き寄せることが出来ない。18小松のポストプレーや9塩原の突破などもあったがセカンドボールが収まらず、13成瀬がゴール前のこぼれ球をシュートするもポストに嫌われるなどフラストレーションのたまる展開。そのような流れの中、先制点を挙げたのは山雅U-18の10池上。前半16分、エースナンバーがゴール前の混戦からこぼれ球を軽く蹴りこむと、ボールはGKの手をかすめてゴールに吸い込まれる。しかしながら先制しただけでは流れを引き寄せきれない。直後に松本深志の高いロングボールを51原がパンチングで弾き返そうとするも、相手FWが先に頭で触り同点とされてしまう。それでも左サイドの6渋木瞭、9塩原らのコンビネーションからの崩しが機能し、ピッチを広く使えるようになる。山雅U-18に追加点が入ったのは前半25分。中に入ってきたボールを受けた15賜が縦に鋭く入れたパスを、18小松が上手く反転して落ち着いて決めた。その後はお互いにミスが出るなど、どこかギクシャクしたまま前半を終えた。
後半は立ち上がりから攻めの姿勢を見せ、後半2分に10池上が縦パスを軽く浮かせて背後に走りこんでいた9塩原にパス、GKの逆を突いたシュートが松本深志ゴールに決まる。ピッチを広く使い、要所でドリブル突破を狙い、後ろから選手が追い越していく山雅らしい攻撃が展開されるようになる。守備でも速い寄せと走力を活かしたカバーで松本深志のミスを誘い、徐々に主導権を握っていく。後半10分過ぎから選手交代が進み、ベンチメンバーは全て出場。
8高橋は腕にまだギブスが残る痛々しい姿だったが、快足を飛ばしてDFの背後を突く動きは健在。幾度となく松本深志ゴールに迫る。後半30分過ぎにカウンターから9塩原がゴール前のラストパスをきっちり流し込み、さらに後半39分には相手ゴールキックが8高橋に勢い良く当たり、跳ね返ったボールがGKを越えてゴール。結局、最終スコアは5-1となり、残り1試合を残して松本山雅U-18は長野県2部昇格を決めた。
この試合に勝てば昇格という試合で、意識するなと言う方が無理である。そのような中で、いかに自分の力を出し切ろうと開き直れるかが問われた試合だったように思う。修正できた部分、出来なかった部分、全てを成長の糧として、来週のリーグ戦最終節と10月のJユースカップに臨んで欲しい。
[8回]
http://gotoalwin.blog.shinobi.jp/Entry/154/2014年高円宮杯U-18サッカーリーグ長野県3部 第10節 松本山雅U-18 5-1 松本深志