憧れの舞台は苦難の舞台でもあった。
ご存じの方も多い「場外戦」について思うところはかなりあるのですが、試合内容をメインに書いていきます。布陣は名古屋グランパスとの練習試合のままの3-4-2-1。反町サッカーは凄まじく運動量を求めるサッカーなので、中盤は走れる選手をチョイスしたと思います。加えてJ2初戦ということもあり、飯尾・渡辺のベテランで要所を抑えたいという意思も窺えました。
3バックは飯田と多々良が2トップをマークし、飯尾がスイーパーとなってカバーをするのが基本。ボランチ・ウイングバック・ストッパー2枚がほぼマンマーク、飯尾が穴を埋める守備という形になっていたと思います。あとはある程度サイドを捨てて中央を固め、最後の部分を許さない、といったところでしょうか。2010年に飯田が加入して以降もそうでしたが、サイドからクロスを上げられても飯田真輝という強烈なCBがいれば弾き返せるというのは山雅の武器の一つで、それを活かすための戦術なのかなと。
攻撃に関しては速攻ならトップのエイジソンに入れて、シャドーの木島徹・弦巻が拾っていく、遅攻ならウイングバックの久木田・楠瀬の仕掛けを使う、という事前の予想にさほど外れていなかったと思います。ただ、個人・組織の力の差は歴然で、ドリブルで仕掛けようにもすぐに奪われ、守備でも体の向きを変えるだけの単純なフェイントにも引っかかってしまうなど、まさに”茨の道”であることを痛感しました。
試合は、前半固くなってしまったヴェルディに対して飛ばし気味の山雅のプレスが奏功して予想以上に頑張れていたと思います。この辺り、試合開始5分前から中央線を歌って会場の空気を作った山雅サポーターの影響も多少はあったのかなと思ってます。あとはエイジソンと木島徹、弦巻の縦へのシンプルな仕掛け。数は少ないですが決定機も作れていたので、J2での初ゴールも遠くはないという予感はありました。
けれども監督の試合後のコメントにもある通り、徐々に地力の差が出るようになりました。ヴェルディ側も中央は堅いと見るや、サイドに人数をかけてディフェンス陣を釣りだしにかかるなどしてペースを掴み、必然とも言える2ゴール。攻守とも個人の力量差を運動量で埋めきれない結果となってしまいました。キャンプで肉体的に相当追い込んだトレーニングを積んでも実戦では勝手が違う、というところでしょうか。
特に感じたのはJ2のプレスの速さ。ちょっとしたコントロールミスでも見逃してくれませんね。よく上のカテゴリーとの違いはミスの少なさだと言われますが痛感しました。状況の把握、ボールを受ける前の準備、コントロールしやすいボールの供給。まずはJ2のスピードに慣れる、というところからスタートしないといけないでしょうね。
結果よりも内容を重視する、と開幕前には思っていたものの、負けるとやはり悔しいですね。怖いのはこの悔しさに慣れてしまうこと。上を目指すハートは持ち続けたいものです。
[8回]
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http://gotoalwin.blog.shinobi.jp/Entry/103/J2第1節 松本山雅0-2東京ヴェルディ