今期初の公式戦ということで、前半は緊張からか周りが見えていなかった印象。攻撃の要10池上雄太と守備の要3古市真也をボランチに並べる新布陣で挑んだ。
攻撃面では前線に選手が飛び込んでいく山雅らしいスタイルを見せたが、守備のリスクを見る選手が明確でなく、カウンターから前半7分に先制を許してしまう。しかし直後にサイドからの展開を8FW高橋晟弥が冷静に決め、試合を振り出しに戻す。山雅ユースは徐々にサイドをワイドに使えるようになり、前半20分に左からの10MF池上雄太のクロスが直接ゴールして勝ち越しに成功。ペースを握ったかに見えた前半28分、右から相手選手のカットインからのミドルシュートのこぼれ球を押し込まれてしまい、前半は2-2で折り返す。
後半は落ち着いてサイドをワイドに使う展開を見せ、運動量で次第に相手を上回っていく。後半7分に相手のオフサイドトラップの掛け損ないに乗じて8FW高橋晟弥がドリブルでゴールに迫り、詰めていた17FW小松蓮に優しいラストパスを送り勝ち越しに成功。しかし直後の後半9分にバックパスの連携ミスからGKとの1対1に持ち込まれ、51GK原将太がエリア内で相手選手を倒したとして一発退場と厳しい判定。このPKで同点とされてしまうが、運動量では相手を圧倒し始める。右から左から怒涛の攻撃を仕掛け、エリア内での相手ハンドを誘って山雅ユースがPKを得る。これをキャプテンの3古市真也が難なく決めて再度勝ち越しに成功。相手に足をつる選手が出始め、大勢は決した。アディショナルタイム中に11MF唐沢真三郎がダメ押しの追加点を決め、5-3で山雅ユースが勝利を収めた。
昨年秋のJユースカップ以来の観戦となったが、攻守の切り替えの早さと運動量という従来の武器に加え、ボールコントロールが格段に向上してピッチを広く使えていた印象。サイドに大きく展開することで相手を走らせて体力を奪い、終盤の攻勢につなげることが出来た。それだけに序盤の緊張によって視野が狭くなってしまった部分がもったいなかった。戦術的には攻守の要を中盤の底に配置することでボールを落ち着かせたい狙いがハマっており、パスをサイドに送った10池上雄太や3古市真也がゴール前でクロスを受ける場面も多く見られた。一方で最前線に人数が集まりすぎ、かえって選択肢を狭めてしまった状態もあり、横だけでなく縦のバランスも見ることが出来るようにすることが課題だろう。危険なスペースを埋めたり、ここぞというタイミングまで前線に出ることを控えるなどの「我慢」が出来るようになれば、もう一段階上に昇れるだろう。
ともあれプレッシャーのかかる新年度最初の公式戦に勝利出来たことは来週開幕のリーグ戦(高円宮杯)に向けて弾みがついたはずだ。リーグ戦は4/12(土)に岡谷東高校で13:15キックオフ、天皇杯長野県予選の2回戦は翌4/13(日)に池田町アルプスグラウンド(高瀬川第1緑地)で10:00キックオフとなる。連戦となる厳しい日程だが、良い結果を期待したい。
以下、気になった選手
・11唐沢真三郎
右MFでフル出場。個人的MVP。右サイドの突破から何度もクロスを上げ好機を演出。精度向上はもちろん、切り返してクロスを上げたり切れ込んでシュートを狙ったりとプレーの幅を広げて的を絞らせないようにしたい。
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